なぜ花粉に反応するの?
- 漢方まりも(店主:まりこ)
- 3月21日
- 読了時間: 4分
前々回から「花粉症」に関して記事を書いてきました。
今回は、花粉症になる仕組みをご紹介しようと思います。
免疫反応に対するメカニズムは複雑なので、出来るだけ簡単にご説明しようと思います。
そもそも、なぜ花粉に反応してしまうのでしょうか?
「花粉がカラダにとって悪いから?」
いえいえ、実は、花粉症の原因は「免疫の過剰反応」にあるんです。
花粉症は免疫の過剰反応
私たちの体には、ウイルスや細菌などの外敵から守る「免疫」という防御システムが備わっています。本来なら、体にとって害のあるものを見つけたときにだけ免疫細胞が反応し、外敵をやっつける役割をしています。
花粉も、もともと人体に備わっているものではなく、外から入ってくる異物です。
でも、花粉は体に入ってきたところでウイルスや細菌のように有害なものではありません。
花粉症ではない人は、花粉が体に入ってきても何の反応も起こりません。
これは「免疫寛容」といって、特に害をなさないものにまで不要な攻撃をしないように体が適切に対応している状態です。
ところが、花粉症の人の体は、花粉を「敵」と勘違いしてしまい、免疫細胞が反応してしまうのです。
花粉を外敵だと勘違いしてしまう
花粉症のメカニズムを簡単に説明すると、次のような流れになります。
①花粉が体内に入る
春になると、大量の花粉が空気中に飛びます。それが鼻や目の粘膜につくことで、体の中に侵入してきます。
②免疫細胞が花粉を「敵」だと認識
免疫細胞の一種である「B細胞」が花粉を外敵と判断し、「IgE抗体」という特別な抗体を作ります。
この抗体は、花粉を見つけるとすぐに反応するよう、マスト細胞(肥満細胞)の表面にくっついて待機します。
花粉症は一型アレルギーに該当し、抗原(花粉)に即座に反応することから「即時型アレルギー」になります。
③再び花粉が入るとアレルギー反応が発動
花粉が体に入ると、IgE抗体がマスト細胞を刺激し、ヒスタミンなどの化学物質を大量に放出します。これが炎症を引き起こし、くしゃみや鼻水、目のかゆみなどの症状を生み出します。
④結果として花粉症の症状が発生
体は外敵(花粉)と判断した花粉を「追い出さなきゃ!」と、くしゃみで飛ばそうとしたり、鼻水で洗い流そうとしたり、涙を出したりします。こうして花粉症の症状が現れてしまいます。
このように、花粉自体が悪さをしているわけではなく、体の免疫システムが「過剰に反応」してしまうことが、花粉症の本当の原因なのです。
花粉に反応しないよう免疫バランスを整えよう
では、どうすれば花粉に対する過剰な反応を抑えられるのでしょうか?
・ 腸内環境を整える
腸は免疫の要って知ってますか?
発酵食品や食物繊維を積極的にとると、免疫バランスが整いやすくなります。
ただし、摂り過ぎは逆効果ですので、ご自分に合った方法で取り入れましょう。
・体を冷やさない
基本的にアレルギーを起こす人はバリア機能が弱い傾向があるため、胃腸を冷やすような冷たい飲み物やアイスなどを控え、温かい食事や飲み物をとるようにしましょう。
特に冷え性の人は要注意!
・ストレスを減らす
ストレスが過度にかかってしまうと、自律神経のバランスが崩れてしまい、免疫系統にも影響を及ぼします。
深呼吸や軽い運動を取り入れて、リラックスする時間を作ったり、自分にとって癒しになることをしたり、ストレスを解消する方法を見つけましょう。
漢方で体調を整えよう
花粉症は、一時的に症状を抑えるだけでなく、「体質から改善する」ことができます。
漢方薬は、症状だけでなく「体全体のバランス」を整えることで、花粉に過剰反応しない体を目指すことができますよ。
漢方薬は、その人の体質に合わせて選ぶことが大切。
前回のブログでいくつか漢方薬をご紹介していますが、気になる方は、ぜひ専門家に相談してみてくださいね。
まとめ
花粉症は、体が花粉を「敵」と勘違いしてしまうことが原因です。
・大事なのは、免疫のバランスを整えること!
食生活や生活習慣を整える事も大切ですが、特に、腸内環境の状態を良くすることがかなり大事になってきます。
毎年つらい花粉症に悩んでいる方は、少しずつでも体質改善をしていくと、症状が軽くなることもあります。
「花粉の季節が憂うつ…」という方は、ぜひ一度、生活習慣や漢方を取り入れてみてくださいね!